広瀬隆(ひろせたかし)さんと、小出裕章(こいでひろあき)さんのメッセージに聞き入っていると、想い出してしまう家族がいる。
福島県の南部・石川郡玉川村にて、愛すべき3人の子供たち、そして優しくがんばり屋の奥さんと暮らす彼らは、森と田畑広がる素朴で美しい日本の源風景の村落で、代々農業を生業として豊かに暮らす家族だ。
福一原発事故の放射能拡散による田畑や水、そして大地や森、そして子供たちへの様子を聞いたところ、20キロ西部の白河に比べると、石川郡あたりは汚染がまだ少ないという。
作った野菜やお米は、高性能の測定器を独自で購入し、計測して記録し続け「安全」を確認しているのだ。
その諸々の手間や精神的な苦労を想うと、胸がいたむ。
いくつかの情報を交わしたあとに、携帯電話の向こうで、こんな話を彼はつぶやいた。
日頃、家屋内に閉じこもりがちなので、子共たちの外遊びのために福島県外へ出向いたところ、いくつかのキャンプ場で、車の「いわきナンバー」をみて入口ゲートで入場を断わられ、あるキャンプ場では、止めていた車体に「福島へ帰れ」「放射能をまき散らすな」などと、イタズラ書きをされたという。
そして、彼の子供たちは「もう、キャンプには行かない」「他県には行かない」と悲しんでいる。と
なんと言うことだ。
いつから日本人は、こんなにも残酷で情けない人々に変貌したのだろう。
苦しみ、困っている人たちに対して、その事を我が身に置き換える「想像力」を、そして「想いやる心」を、いったいどこへ置き去りにして来たのだ。
その行ないは、これほどの事故を起こしても原発をいまだに推進する人々と同様の、非人道的かつ非情な冷たさを感じる。
日本人はいつから、こんなにも「心のない貧しい民族」に変わってしまったのだろう。
……… 子供たち そして彼ら家族の、そのときの気持ちを想うと、胸奥が詰まる。
しばらくして彼は、今、上の子が高校受験に励んでいて、合格したら「沖縄」に一緒に遊びに出かけるという。
「合格したらもちろんだけど、合格しなくても、いつでも沖縄においでよ」と言葉をかけたら、笑い声と共に「そのときは、よろしくお願いします。」と明るい返事が返ってきた。
人工的建造物や灯りひとつない白い砂浜で、月明かりの下、小さな焚き火を熾し、そして暖かい飲み物を分け合いながら、天に輝くオリオンやシリウス、大きな北斗七星の夜空でも眺めましょう。月明かりに輝く、沖つ白波もとても幻想的で美しいですよ。
よろこんで「パラダイス沖縄」をご案内させていただきます、吉田さん。
そうだ!思い立ったが吉日、 今日は大安だから、普天満宮の神様へ合格祈願の「お参り」をしてこよう。
良き事が ありますように。