奄美の自衛隊ミサイル基地と
嘉徳(カトク)海岸の護岸工事
コロナ流行の中、半年ぶりに帰省した
今年の奄美の梅雨は記録的に長く、
久々のスケッチ旅は、毎回雨にうたれた。
風に吹かれ、降る雨を眺める日々のなか、
友を尋ね、晴れの合間に浜に出て波を観る。
互いの過ぎ行く「今」を語り合うとき、
時代の「潮騒と風波」が吹き荒れていた。
サバニ・チーム「風」のクルーの仲間に連絡をとり、仲間の住む
嘉徳(カトク)集落の浜に出かけた。奄美24景画・制作用に「波」と
美しい海岸の「岩場」のスケッチ・メモをとりながら、仲間と過ぎ
去りし互いの近況を語り合った。
1年ぶりに訪れた嘉徳の砂浜は、2~3年前の海岸浸食による浜砂の減少が止まり、以前の様な大量の砂が堆積する大きな砂丘の浜に回復しつつある。
嘉徳集落といえばここ10年来、自衛隊の基地建設に翻弄されている。遡ること2012年に始まる網野子(あみのこ)トンネル建設から密かに基地建設が計画されていたのだった。
地域住民たちにはトンネル建設の詳細な説明無く進められ、2015年のトンネル開通・使用開始による一般通行によってその全長4.7kmの長さに島民は驚き、標高360mの網野子峠越えの時間短縮に瀬戸内町の住民たちは大いに喜んだらしい。ところが峠のバイパスとして造られたトンネル開通の2015年からほとんどの島民たちはかつての国道を使うことが無くなり、この閑散となった旧道を使って自衛隊の基地建設は密かに始められていたのである。
峠を越え旧道を約1km下った途中の分岐交差点を左に曲がり、そこから5~6km先の谷間を下りた海岸沿いに仲間の住む小さな嘉徳集落がある。その分岐点から集落途中の広大な山間部に、オスプレイが離着陸するヘリパットをはじめ、ミサイル基地およびミサイル弾薬庫、そして隊員兵舎とレーダー施設を含む巨大自衛隊基地が、島民・住民たちヘの詳細な説明無しに、防衛省の国策として基地建設が今でも進められている。
今現在、峠の旧道は赤土で汚れたバカデカい土建屋のダンプ・トラックと、ここは沖縄の米軍基地か?と勘違いするほど自衛隊の軍用車両ばかりがワガモノ顔で往来しているのだった。
しかしグーグルマップの航空写真地図(サテライト・マップ)を覗くと約3年前の隊員兵舎とレーダー施設が今でも確認できる。現在ではピンポイントでミサイル攻撃可能なこんな時代に、
ナンてお間抜けな防衛省および自衛隊だろう?
有事の際は、敵ミサイルで秒殺・被弾大破滅は、小学生でも解るぜ。
写真の左中央が旧国道58号で下りたヘアピン・カープを、この写真上で右に曲がると嘉徳集落への脇道となる。禿げ山に見える縦横200m四方の広い空き地が自衛隊施設でおそらくミサイルや弾薬格納庫の施設だろう。その右300m右奥に自衛隊員・兵舎の建物群が連なる。広い空き地から南へ向かう緩やかなスロープ600mを登った小高い丘には、この航空写真にはコラージュで隠されているがデッカいアンテナが建つレーダー施設が完成している(前・写真参照)。また、空き地から左斜め400mの嘉徳集落ヘ通じる位置に第1ゲート・緑の守衛室(写真参照)が建ち、その奥に第2ゲート・緑の建物・監視棟(写真参照)がそびえ建つ。この第1ゲートと第2ゲート施設はこの航空写真ではコラージュで隠されている。おそらくそのゲート奥のヒル・トップ丘には広大なヘリパットが完成されているのだろう。なぜなら南方向(沖縄?)から夜間に飛んで来るオスプレイがその上空あたりでエンジン音が突然消えるのである。そして右上・距離にして2km先には嘉徳の集落と灰色の大きな砂浜が見える。また空き地から真南方向へ2km下りていくと節子(せっこ)集落が存在する。
2019年6月4日発行・沖縄の新聞「琉球新報」第39641号に
先島配備・地対艦ミサイル
火災時 住民の避難困難 陸自教科書[2分で爆発」
の見出しで、次の内容が報告されていた。
~陸上自衛隊の教科書(教範)で、地対艦誘導弾(ミサイル)が火災に巻き込
まれた際に爆発するまでの時間は約2分とし、その際は1キロ以上離れる
か、物陰に隠れるなどの対応を示していることが3日までに分かった。~
と、元自衛官・軍事評論家の小西 誠(こししまこと)氏は「有事の際はもち
ろん、平時でも火災の可能性は避けられない。住民は約2分で1キロも遠
くへどのように逃げるのか」と疑問視すると同時にその危険性を指摘した。
もし弾薬庫やミサイル格納庫施設において火災事故やその他・敵攻撃によ
る火災が発生した場合、施設の格納量にもよるが大まかに見て2〜3分以
内に施設から2km以外に脱出避難しなければならないという事だ。火災の
発生から3分以内に格納庫施設から2km以外に脱出避難?…つまり弾薬庫
やミサイル格納庫施設から最低でも直径2km四方は「大爆発」で吹っ飛ぶ
か「火の海」になる!そんなことが3分以内に回避できるのだろうか?…
2〜3km以内に点在する嘉徳集落と節子集落の人々の命は「火の海」で
一体全体どうなるのだろう?……
考えるだけでもアァ~おそろしや オソロシ也
このグーグルマップの航空写真地図も2~3年前の写真に部分修正されて
いるが、2020年現在、この禿げ山空き地の3~4倍の面積のヘリパットや
自衛隊の各施設が建設されている。やがて、お間抜けな防衛省および自衛隊
は慌てて航空写真をコラージュして無き物にするだろう。しかし今となって
は素人の我々がパソコン画面で検索確認できるのだから世界中に、
バレバレなのだろう。
この国家権力および魑魅魍魎(ちみもうりょう)たる人々による行いに
疑問を持つ心ある方々、軍事ジャーナリスト小西 誠(こにしまこと)
氏の以下のブログを参照されたし。
隠された事実を知れば 驚くゼ!
( 時代の荒波〜護岸工事とミサイル基地 その2 〜につづく )