ヤドリ浜のライブハウス
「イソシギ」と ユキヒサ のこと
奄美大島・南部の瀬戸内町ヤドリ浜にあるレスト
ラン&カフェ「イソシギ」は、映画「バクダッド・
カフェ」の様なレストラン・カフェ、そこは様々な
旅人たちがやって来るライブハウスでもある。
元々は、プロのジャズ・ミュージシャン・ポール
上畑が35年前に沼地を埋め立て、JBLの巨大スピー
カーの大音量でライブ音楽をたのしむために、人里
離れたランズ・エンドなこの僻地に、立ちあげたラ
イブハウスが店の始まりだった。ハウス・マスター
のポール上畑は、9年前の2011年夏に惜しまれつつ
逝去されたのだが、彼のスピリッツ Enjoy the Life
with Sound of Music & Songs の意思をポールの愛妻
サチヨが受け継ぎ、多くの音楽仲間たちと力を合わ
せ店を継続しているのだ。
亡くなる際に、ポールから「後はたのむ」と店を
託されたブルース・ギター弾きの男がいた。
男はバカ正直で、私の友人セミプロのブルース・
ギター弾き男爵のボトルネック演奏に対し「ん~
ウマいけど 62点!」と、平気で自分の価値観で
モノを言う Every Day Every Time 酔っぱらって
いる男だが、「自分はいつ死んでもいい」と言い
ながら、持病の薬を受け取りにセッセと病院に通
っている、じつにチョー変な奴である。
しかしその男のブルースギター・テクニックは
良くも悪くも素晴らしく、ニールヤングの不協和
音エレキ・サウンドはお茶の子サイサイ、ロバー
ト・ジョンソン風ブルース・アコースティック・
サウンドで即興ブルースを自由自在に歌いこなす。
そんな彼を島の音楽仲間たちはなぜだか「妖精」
と呼んでいる。
酒が死ぬほど好きな、妖精男「ユキヒサ」は、
イソシギにとっては「コバンザメ酔っぱらい」と
言われているが「キリギリス的存在」でもあるの
で、彼の奏でるブルース・サウンドがあればの、
ライブハウス「イソシギ」なのかもしれない。
彼のアルコール依存症を心配するまわりの警告
を無視し、日々お店で隠れ酒をコッソリ楽しんで
いるユキヒサを見て、ある意味「絶滅種奄美原人
天然記念人物」と、友人たちは笑いながらも本気
で彼の健康を心配しているのだった。
おォ~ ヤオヨロズの神々よ、こころ優しき妖精、
といっても齢64のユキヒサなれば、今しばらくの
命の糧と、幾許かの余命を与え給へ!
熱烈懇願・無病息災!也
(敬称略)
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