2013年3月15日金曜日

風まかせ 漂流キャンプ 〜その1


無人島で ミニ・ラーメン


 新艇「ヘロン」で3km沖合いの無人島を目指す。午後1時ジャストに組み立て始めたフォールディング・カヤックは、2回目とはいえ、まだまだセンターフレーム・テンションと4〜5番のリブ装着に手間取り、初回の組み立て時間を10分ほどオーバーして1時間30分もかけてしまった。
 キャンプ道具を積み込み、比嘉(ヒガ)の港を漕ぎ出たのは3時を少し過ぎていた。
 沖に出ると予報どおり、左舷10時北東方向から10m/sの風がふいている。風上から4〜5mピッチで押し寄せてくる高さ1.5mの波が、5〜6回に一度のタイミングで波頭が崩れ白波となってデッキを洗う。3km先に浮かぶ無人島との間は、白ウサギがバンバン跳ねていた。
  目指すは正面に浮かぶ島の右端・進行方向1時の砂浜だが、左舷10時からの風と波を考慮して、舳先を11時方向・島の左端の岩場に当て「30〜40分の辛抱!」と心に決め、ガッツリ漕ぎ続けた。
 10分ほど漕いだところで、確認のため後方・港の位置を確認する。ほとんど風下へ流される事なく直線的に進んでいるので、舳先を進行方向12時に向きを変え、島のど真ん中に当てた。それから20分ほど漕ぎ続けたところで波と風が少しおさまった。距離にして残り1km弱、舳先を2時方向の右岸に向けなおし、のんびりとマイペースで、白い大きな砂浜を目指した。
 上陸予定の砂浜からチョイ右側の岩場に、港で合流し先にカヤックで出発していた「バッシー」こと石橋勝(いしばしまさる)とその美人妻、奈穂(なほ)チャンの二人が、キャンプサイトで火を熾し紫煙をたなびかせていた。
 そんなこんなで島の砂浜に上陸したのは、日没2時間前の午後4時ごろになっていた。
 とりあえず日没も押し迫っていたので、キャンプサイト・寝床の設営にかかる。いつもタープを張る倒木が半分以上も砂に埋もれ、砂量があがっていたので、今回は流木タープキャンプ・サイトから少し趣(おもむき)を変え、砂漠の民・ベドウィン風の砂上タープ・サイトを張ることにした。
 もちろん、今回の目的「無人島・帰りは風まかせ」作戦のためセーリング・カヤック用に、漂流物をかき集めて流木アウトリガーを組み上げるための、造舟所としての機能も兼ねているのだった。


  休む間もなく、支柱となる流木や少しの薪を拾い集め、タープを張り、砂をならして寝床をこしらえる。1時間ばかりで、ベドウィン風タープサイト造舟所のベースが組み上がったところで、バッシーがありがたいことに、ミニ・カップラーメン〜まろやかチキン味「元祖オキコ・ラーメン」を差し入れてくれた。
 身体が冷えていたので、お湯を沸かしてなにか温かいモノを飲もうとしていたところへ抜群のタイミングであった。~おお神よ!~ すかさずカップに麺を入れ、パッケージの袋にはお湯を注いで4分と書いてあったが、とても待ちきれず、注いで待つこと2分半、フーフーいいながら、その優しさと温もりが、冷えた身体に染み渡り、暖かな想いが蘇ってきた。〜バッシーと奈穂チャンに心からの感謝!〜 
 新ためて、沖縄産ミニ・ラーメン~まろやかチキン味「元祖オキコ・ラーメン」( 合成保存料&着色料 未使用だよ!) のクイックリーな美味しさ〜を見直した。
西の大空を真っ赤な夕陽が染めたあと、無人島・第一幕目の少し肌寒い夜のおとずれが、静かに舞い降りて来るのだった。
(つづく・敬称略




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