2017年5月22日月曜日

アダン幼実

南の島の守り神

 オレンジ色に熟れた真夏のアダンの実はだれもが記憶にある景色だが、1~2月のアダンの幼実は葉っぱと同じ緑色。かたく絞(し)まった小さなその実は真冬のつめたい潮風にさらされて、春の陽射しの温もりをただひたすらに待ちわびている。
 アダンは南の島の海と山のいのちをつなぐ「守り神」。その証に護岸工事という名の環境破壊にともなうアダンの消えた砂浜は、カニやヤドカリがいなくなり、ウミガメもアダンの木陰を失い卵を産めなくなる。手前のサンゴ礁も次第に荒れはて海藻も消え、やがて魚たちもいなくなってしまうのだよ。

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