サバニを描く。
幾つかのサバニ旅を通して多くの風と波を越えてきた。
ときに高波6mの巨大な外洋のウネリを3人で4~5時間ただひたすら漕ぎ続けた。また沖縄・本部港から宮崎・日南の油津港840kmの旅の途中、奄美大 島・大和村今里から方位・北北西60kmにある横当島・東方20km沖を、右舷45度に転舵しさらなる北東40km彼方の宝島を目指した。
風速13~14mの横風のなか、左舷から押し寄せる高波4~5mの波頭崩れる荒海の中、30秒ごとに左舷アウトリガーを越えた大波が船内に飛び込んで来 る。排水を繰り返しながらの全航程104kmの奄美~宝島間8時間半のサバニ旅は、宝島手前5km沖の真後ろの風を受けた瞬間14ノット・ kn強(時速 25,7km)を記録し、波と波の間をまさに飛んでいる状態だった。
サバニの向こうに越えてきた波を描く。
舟底あたりに2mの波、舟の舳先まわりに4mの波頭崩れる荒波を、そして弥帆(やほ・舳先の帆)上部向こうに右舷にせり上がる6mの外洋うねりの巨大な高波を。
サバニ・レースと島々を航るサバニ旅を幾つかくりかえし、これまで延べ3,000余kmの海を航り継いだ15年目にしてやっと、理想のサバニの姿を描くことができた。
それを[手ぬぐい ]に染め込み 新たな サバニ旅 へと 船出する。
我は 琉球王国・海洋民族の末裔なり
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