2019年6月29日土曜日

YAMAHA XT500 その2

野山を駆けまわり大地に眠る喜び


第1回、第2回のバリ~ダカール・ラリーの優勝車XT500。
なんと第1回は驚くことに2輪・4輪含めての総合優勝で、
その砂漠の覇者XT500は、次なる名車SR400/500を生むこととなる。
バイクを改造し、見知らぬ土地を走りぬけ、はじめて出会う景色とその感動。
雨風・太陽そして火のありがたさを知り、旅を通してキャンプ道具を徹底的に使いこなす。
好奇心が誘うその体験と感動の全ては、明日からの道標となってゆく。

あの名車XT500よ、再び!        

 バイク改造に狂っていた1979~1981年当時、自宅マンションの自転車置き場にはレース用や部品取り用にと、ヤマハXT500とSR500が計12台ほど並んでいた。名車XT500はのちにオンロードモデルとしてSR500/SR400を生むこととなった伝説のビッグシングル・オ フローダーである。
 吸排気系をバリバリの改造マシンに仕立てたXTは、イラストにもあるようにオイルクーラーを追加し、エアークリーナー・ボックスや、フレーム下から取り回しされた当時コブラ・マフラーと呼ばれていたオリジナルの排気系はさっさと取っ払い、欧米仕様TT500用エキゾーストにスーパートラップ(ディスク板+6枚)を装着し、仕事帰りの都内・深夜の甲州街道ではナナハン・キラーとしてカッ飛び、そのサウンドとスロットル・レスポンスの良さを楽しんでいた。
 そんなオフローダーで休日には関東近辺の野山を駆け巡り、気分のいい場所を探してはそこで眠るということを毎週のように繰り返していた。単独・林道走り優先なのでキャンプ装備は最低限、テントさえ持たずにタープの下で寝る野宿スタイル。バイクを雨や夜露に濡らせたくないのでバイクにタープをかけ、その脇にちょこっと寝かせてもらう感じかな。
 バイクの横にグランド・シートを広げその上にサーマレスト・マットを敷き3シーズン・ダクロン・シュラフに潜り込む。雨の寒い日はシュラフカバーを使用するが、晴れた日にはタープ下でシュラフむき出しのまま養蜂用のフェイス ・ネットのみで寝ていた。今ではモスキートネット(蚊帳)を吊るして、相変わらずのタープ・キャンプを楽しんでいる。
 石油系燃料ストーブを持ち歩かない私の野営スタイルは、焚き火あってのタープ・キャンプが基本。だから、オープンカーの幌を作っている製作所にお願いして、60/40混紡クロス素材での特注タープを作ってもらった。制作から35年ほど経つが、今でもシーカヤック無人島の旅に大活躍。
 バイクを改造していくと、より自分の道具、分身としての相棒になっていく。同様にキャンプ道具も使い込む事によって、製品の特徴と良さ・そして欠点さえも理解できるのだと思う。今やネットに溢れているインプレの数々も、結局は自分とは感性の異なる他人のゴタク。要は自らの体験こそが全てであり、あらゆる事においてその経験こそが明日からの指針となるのだ。
 さて、オン・オフ兼用のデュアル パーパス・スクランブラー流行りの昨今、浜松のヤマハさんよ、この素晴らしい名車XT500(欧米輸出仕様TT500!)を、ミクニかケイヒンのキャブ装備で再販してくれないかなぁ~と強く願い、想う今日この頃。アァ~あのサウンドと加速感、再び!





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