ファイヤーサイドにて販売開始!
その2~「薪ストーブ」〜 寒山一景
遡ること25年前の1993年ごろ、モノ・マガジンの別冊・サバイバル・マガジンの取材で初めて長野県川上村に住む作家・田渕義雄(タブチヨシオ)氏を訪ねた。氏の山小屋風の居間には、初めて見る真っ赤な「薪ストーブ」バーモント・キャスティングス社製のデファイアント・アンコールが、赤々と燃えていた。
田渕氏はデファイアント・アンコールを日本で初めて個人で輸入し、真冬にはマイナス20度にも冷え込む日本一標高の高い川上村・寒山にて、就筆の傍ら、ひとり孤高にシェカーデザイン家具の「椅子と机」を独学で造り続けていたのだ。
その出会いから2年後の1995年、我々は雑誌アウトドア・イクィップメントを創刊し、コマーシャリズムに乗らない、広告に頼らないアウトドア情報誌を世に送り出し、真のアウトドア・ライフの世界を紹介・提案したのだった。
刷り上がりホヤホヤのアウトドア・イクィップメント創刊号を手に持ち、田渕氏の自宅を再訪した際、氏自宅前の小さな坂道を車で駆け上がったところで200m向こう、ミズナラ林の中にひっそりと佇む田渕氏宅の赤い屋根が見えてきた。そこに立つ黒い煙突から流れ出るうす青い狼煙(のろし)を目にしたとき「いまここに真の自由の入り口に、自分はやっとたどり着いたのだ!」という感情が込み上がってきて、自然と涙が流れ出た。
そのあといくつかの時を田渕氏と過ごし、多くのことを学ばせていただいた。
氏との出会いによって、私なりに確信したことがある。
〜河辺の「焚き火」向こう岸に「薪ストーブ」が燃えている。その間に流れる深き河は、自由な精神をこころに持ちつつ、己自身の力で泳ぎ、または漕ぎ進むのだ。〜 と、いうことを。
初めて見たデファイアント・アンコールの赤々と燃える炎を想いつつ、寒山の一景を手ぬぐいとして、染め描き残したのだ。
*ファイヤーサイド・ホームページ
https://www.firesidestove.com
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