スケッチと、グラフィック仕事
時々 想う。
今までに、スケッチを何百枚、いや、いったい何千枚描いたのだろう、と。
スケッチを描く動機のほとんどは、好奇心からくる「あれ、これなんだろう?」という「驚き」と、目に飛び込んでくるあらゆる物の姿かたち、そして光や影たちの織りなす「美しさ」との出会いによる「感動」が、ペンを走らせ、その輝きの100分の1の色彩の残像を記録としてメモっているのだ。そしてその「感動」を数多くのクロッッキーノートに、時を忘れ描き残している。
一枚の絵を描くとき、最初の一筆を下ろした時点で最後の筆を置くまでの画面構成は頭の中にあり、ただ頭の中のメモを手に持つペンや絵筆を通して、紙もしくはクロッッキーノートに移しているだけなのだ。つまり、描き始めた時には最後の一筆はもう決まっているのである。
イラストやデザインなどグラフィック仕事のほとんども、とりあえずアイデアがまとまるまで幾つかのラフを頭の中で構成してみる。そのラフかある程度まとまった時点で、はじめてA4サイズのクロッッキーノートにペンを走らせ、紙上のラフ・デザインとして机上にて具現化しているだけなのだ。
スケッチがそうであるように、グラフィック仕事もまた夢中になると時を忘れ、最後のページまで一気に描きあげている。つまり、1ページ物も100ページ物のレイアウトにおいても、頭の中で幾つかのラフ・レイアウトを構築し、最初の1ページをクロッッキーノートに移し始めた時点で最後のページに向かって、頭の中のラフデザインをただひたすらに紙の上に描き進んでいるだけなのである。
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