2017年9月18日月曜日

放浪のすすめ

 隠岐ノ島・ジオパーク〜島前(どうぜん)の圧倒的パワーの地殻変動体感カヤック旅を終え菱浦港からフェリー「くにが」にて、次ぎなる島後(どうご)の西郷港へと航った。
 視界3〜4kmの霧のなか約1時間の航路を、カヤックで漕ぎ航るときの参考下見ついでに海図と照合しながら、小さな島々や多くの入り江など沿岸を眺めていたらアッという間の1時間が過ぎ、西郷港へ着いたのは午後2時の小雨降るなかだった。
 次号の雑誌「フィールダー」連載にてこの島後・ロックンロールな旅を通して出会いたどり着いた、アパッチ・ジェロニモの魂と、レッドツェペリン的ロックな雑誌創りへの情熱の可能性を報告する。

 
放浪のすすめ 

真実は旅にあり 知ることの喜び



 ジェロニモ と レッドツェペリン
 そして 放浪の喜び





2017年9月3日日曜日

大地の咆哮


 今年の夏、一ヶ月シーカヤック漕いで野宿を繰り返した。隠岐ノ島〜島前・島後にては、とてつもない巨大な感動に出会った。
 島前の大海原を漕ぎ進み、岬を回り込むたびに覆い被さって来るような天地創造の壮大な600万年にもおよぶ地殻変動の残影、そして幾度となく繰り返された大噴火による七重八重に積み重なった圧倒的な堆積層の剥き出しになった地層断面。
 火砕流あとの白色凝灰岩の岩肌が光に反射して真っ白に輝く。噴火による火山灰がいったいどれだけ降り注いだら、そしてどれだけの時と地殻変動の圧力が加えられたらこれだけの堆積層が出来上がるのだろう。その永遠と重なる悠久の時を想うと胸奥が熱くなる。ポンペイ最後の日のヴェスヴィオス大噴火の数万倍の大地の咆哮が聞こえる。
 鉄分を含んだ火山性礫岩が酸素と反応して真っ赤になっている。まるで地球のハラワタがむき出しでうごめいた残像がドクドクドクと脳裏によみがえり近寄ると体のなかの全ての血液が熱く沸騰してくる。

 溶岩が冷えて固まる黒い玄武岩、噴火の火砕流が堆積した灰色の礫岩層。高濃度の鉄分が酸化し真っ赤に変色した赤色礫岩などなど、その層ひとつひとつの圧倒的な数百万年にもおよぶ時間の堆積を想うともう正気でいられない。大地・地殻変動の圧倒的エネルギーに埋没するには充分すぎる質量とその磁波を含めた巨大なパワーに囲まれたのだった。

ウオオッおおォ~ッ! ウオオッ〜〜!!


2017年9月1日金曜日

炎の向こう岸

シーカヤックやサバニで島々を航る旅においても、日々のほとんどは焚き火が基本。薪を拾い、火を熾して湯を沸かし飯を炊く。魚を焼き一汁をこしらえ空腹を満たし、そして茶で一息つく。残り火で暖をとりつつ、燃えゆく熾き火の清く美しい紅の色に、様々な想いと共に言葉なく魅入る。火が燃え尽きるころ残り湯で体を温め、そして星降る浜辺で潮騒の調べを夢枕に眠りに就く。
子供時代の河原の火遊びから、やがて小学56年生になる漂流旅生活のこの歳まで、外遊びの基本は常に焚き火と共に過ごしてきた。


湖の湖畔、中低山の沢や河原、そして海辺の砂浜や磯の大きな岩の上。幾度となく繰り返した焚き火の炎を眺め、あるとき確信したことがある。
 炎の向こう岸……
 「焚き火のむこうに、薪ストーブの炎が燃えている。」