必要は発見・発明の母
シーカヤックの旅の途中、無人島にてガスバーナーの燃料が切れたことがあった。
波風強いその島には流木の漂着が少なく、いくつかの枝と限られた数本の小枝4~5本だけ。
ナイフと缶切り、そしてゴミとして持っていたパイナップルの空き缶を使い、カンカン・バーナーを即興で作り上げその場を凌いだのだ。
ビクトリノックスのアーミー・ナイフには小さなノコギリやハサミまで付いており、ナイフの刃も大小2本も備えられていた。その小さなナイフの刃で底の部分を三角の穴があくように、刃を差し込み滑らすように2辺を押し切り、底の部分がついたまま三角部分を中に押し込む。そして缶切りに付いていた栓抜きの刃で、缶の上下に空気口となる穴をペコペコと等間隔で開けていく。制作時間たった5分でカンカン・バーナーの出来上がり。
一度小さな小枝をポキポキ折って缶いっぱいにして、三角の火口から着火して熾き火を作る。あとは短く切った細い枝を上から縦に入れたり、三角の火口から長いチョッと太い小枝を2本ばかり突っ込んでおくとそれが元火となって次々と熾き火が出来て燃え続けるのだ。なんと親指くらいの太さで長さ1メートルの小枝2~3本で、一人分1合のご飯を15分で炊き上げ、2杯分のみそ汁を作り、残った熾き火で一枚のシャケの切り身を焼き、残りの火で1リットルのお湯を沸かせて温かいお茶が飲めたのである。微妙な火力調整はブラ下げたケトルや鍋を小枝にぶら下げ、火床からの遠近調整で保温や強火など工夫したのだ。
その体験以来、私のシーカヤックの旅から、ガスやガソリン・オイル系のバーナーの類いが姿を消え、大きめのフルーツ缶と着火材が旅の共となったのだった。
ひとり旅、「必要は発見・発明の母」要は創意工夫と遊び心、実践による「経験と知恵」これ大切! ね
ひとり旅すると 余計なものがひとつづつ無くなるって
オモロいぜ!