島の 焚き火と飯づくり
その昔、キャンプのたびに4~5人の飯づくりのため、幾つかのクック・ストーブや焚き火道具を持ち歩いていた。
20代バイク・ツーリングのキャンプサイトは、カートリッジを兼用するプリムスのランタンとクック・ストーブを始めとして、30代での車やカナディアン・カヌーのファミリー・キャンプでは、コールマン2バーナーにシングルマントルのガソリン・ランタンを輝かせた。
30代後半に雪山に出かけMSR・ウィスパーライトをガンガン燃やし、40代にガッチリとシーカヤックにはまった時、マナスル121ストーブに小さな灯油ランタンと共に、多くの仲間たちと海辺の旅を楽しんだ。
50代になり、仲間たちとのシーカヤック旅やサバニ旅では、ほとんど焚き火とマグライトで夜を過ごしていた。
そしてこの2~3年、あの原発事故をきっかけに、独りでのシーカヤック旅にもどり、マグライトとローソク、そして昨年から空き缶をナイフで加工したカンカン・クック・バーナーを使っている。
一人~二人分の調理バーナーとして、普通サイズのパイナップル缶より一回り大きなLigo/リゴのフルーツカクテル缶詰の空き缶がベスト。Ligoリゴ缶はラベルが紙製で簡単にはがれる。
(紙ラベル以外の塗装缶は初期燃焼時に科学塗料及び有機溶剤による有毒ガスが出るので注意)。
[カメキチ・カンカン・バーナー]の作り方(1)まず、缶の上蓋をカンキリで完全に切り開け、中身を一気に食べるなり、ジップロックなどに移す。
(2)ナイフで底の部分を三角に開け、空気取り入れ口&薪差し込み口をつくる(写真:参照)。
(3)カンキリもしくはナイフで、缶の上部分に熱および炎の吹き出し口を、写真のように細かい間隔で開ける。
(4)カンカン・バーナー用の薪燃料として、親指の太さくらいの乾いた長さ1mほどの小枝を3~4本拾い集め、ノコギリやナタで、空き缶の直径や高さの長さに切り割けておく。薪のくべ足しは、一気に火力を上げる場合は、缶の直径サイズの小枝を上から中へガンガン投げ込む。安定した小~中火が必要なときは、下の三角口から20~30cmの小枝を2~3本差し込む。
一人の食事1回分なら、燃料の薪として、親指くらいの太さの長さ1mの小枝3~4本で充分事足りる。
たったこれだけの小枝で、魚を焼き、米を1合炊き上げ、みそ汁と1リットルのお湯を沸かし、残った熾き火で「炭」を作り、最後に炭火で、餅を焼いてお茶が飲めるのである。着火以外の燃料は、全て現地調達の落ちている「小枝」だけで済むのだ。
カンカン・バーナーのおかげで、キャンプ・ファイヤー用の大量の薪集めも必要なくなり、必要最小限の炎で、夜の闇と星の輝き、火の温もりと月明かりの美しさを、楽しんでいる。
砂を盛り上げた焚き火台に、潅木4本突き刺して、焼きアミの高さを調節する。
「創意工夫」これ大切。
ガソリンや灯油を始めとする石油系燃料および、それらのゴチャゴチャした燃焼道具からの解放は、せせこましいアスファルトの大都会から、一気に大海原へとシーカヤックで抜け出したような、開放感に値する発見なのだ。
信州の川上村にて、孤高に生きる賢者の言葉を思い出した。
「わたしは、孤独ほど仲のよい友達に会ったことがない。孤独でいるときが、人は自分らしく、いちばん輝いている。そして、その孤独を楽しむことができる者こそが、よい仕事を為す。」
友よ、孤独で あれ。
*[カメキチ・カンカン・バーナー]による「炭」作りと、鰻(うなぎ)の1本姿焼き?の秘技は、
次回「無人島キャンプ~その3」にて公開予定~しばし待たれよ!
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