2017年6月10日土曜日

酒瓶と骨壺


 父の七回忌2006年・弔いの宴席用にと、11年前のカーチベ吹くこの季節に、琉球古酒の龍瓶と洗骨・改葬用の骨壺のふたつをサバニに載せ、沖縄から奄美までの荒海250kmを仲間たち3人と漕ぎ航った。
 旅の途中、大島海峡入り口には、波高6m以上の外洋の巨大なウネリが次から次へと押し寄せており、その圧倒的な神々しくも崇高な世界を我等3人は何を恐れるでもなく、横風を帆に受けながら、ただひたすら北へ北へと4〜5時間のあいだエーク(櫂)をにぎりしめ、永遠と想える時を漕ぎ続けたのだった。
 父の生まれ育った浜辺の墓地にて土葬に眠る父を2009年3月春・掘り起こし骨を拾い集め、浜辺にて兄と二人で洗い清め,母にあつらえてもらった絹の白衣を着せて家族全員で見守るなか荼毘に付し、遺骨を壷に収めなおして改葬の儀を行い、あらためて父を新たな安住の墓中へと眠らせたのである。


 いまは同じ古郷の浜辺の墓地に,10年後の再会を夢見て屋形(やぎょう)の下に最愛の母が眠っている。

 感謝

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